ロープアクセス工法による屋外広告物安全点検
屋外広告物の安全点検の必要性
屋外広告物とは、常時または一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他工作物等に掲出され、または表示されたもの並びにこれらに類するものをいいます。
屋外広告物の安全性を確保するため、すべての広告物については適切な維持管理が必要となります。
2015年２月に札幌市において建物に取り付けられていた看板が落下、歩行者を直撃する重大事故が発生しました。
この事故をきっかけに国土交通省において、屋外広告物の所有者などに対し実効性のある点検の実施と老朽化による倒壊・落下のおそれがある広告物の速やかな撤去、改修など措置を講ずるように指導することを全国の地方自治体に通達し、
さらに平成28年4月には屋外広告物の所有者等による点検の促進、許可更新の申請を行う場合の点検結果の提出義務化等を内容とする屋外広告物条例ガイドラインが改正されました。
主な改正点など大阪府を例に下記に載せさせていただきます。
各自治体によって多少は異なります。おおよそは同様ですが、点検者に建築士が含まれている自治体と含まれていない自治体とがあるようです。
屋外広告物安全点検の点検項目・点検内容
屋外広告物条例を制定している地方自治体では屋外広告物の所有者等が更新許可申請を行う際に、安全点検報告書の提出を求めることが多いですが、点検項目や点検内容は様々ですので各地方自治体に確認する必要があります。
国土交通省が出している点検指針には
・安全点検報告書の様式に、点検者の氏名・住所・電話番号・資格名称を記載する欄（項目）を設け、点検者が資格要件を満たしていることを確認すること
・点検方法については、原則として目視、打診等により損傷、変形、腐食等の異常の有無を確認させること
・安全点検報告書には、屋外広告物の全景写真を添付させること
また、必要に応じて点検箇所・点検項目の状態が把握できるカラー写真や補修等を行った箇所のの補修前後写真を提出させること。
・安全点検報告書及び添付書類で安全性を確認することが難しい場合は、所有者に対して安全性について確認を行い、必要に応じて現地確認を行うこと。
と記載されています。
参考：「屋外広告物の安全点検に関する指針（案）」国土交通省 都市局 公園緑地・景観化
点検内容としては主に
| 目視点検 | ・広告物等の各部におけるキズ、汚れ、変形、錆等の状態について点検する |
| 標準点検 | ・各自治体の条例において点検に必要な技能と知識を有すると認められた資格者により点検を行う・必要に応じ高所作業車等を用い、外部だけでなく外装材を外し、各内部も含め確実に点検を行う・各部の特性に応じ、触診・打診及び検査を行う |
| 詳細点検 | 専門点検技能者が・経年劣化による錆、垂れ、歪み及び変形など箇体破壊の進行を確認するために、寸法、厚み角度などの測定木々を使用する点検・測定機器を用い、アンカーボルトの引き抜き強度、鋼材の肉厚測定等の調査を行う点検 |
と記載されています。
参考：「屋外広告物点検基（案）」（一般社団法人日本屋外広告業団体連合会ほか）
ロープアクセス工法による屋外広告物安全点検
屋外広告物の劣化は経年劣化だけではなく、地震や台風などの災害による損傷劣化や人為的なミスによる劣化等も十分あり得ます。
単に条例による安全点検だけでなく、定期的な点検、補修により健全な状態を保つことは建物の長期的な維持計画にも繋がります。
弊社では主に外壁調査の業務を行っておりますが、ロープアクセスによる外壁調査と併行して袖看板や壁面看板のアンカーボルトやプレート等取り付け部劣化状況や鉄骨の錆の状態、ぐらつきの有無など目視や打診、触診による調査も行っております。
建物の特定建築物定期報告と屋外広告物の安全点検のタイミングが重なることは稀かと思いますが、ロープアクセスによる外壁調査と屋外広告物点検の相性は抜群に良いです。
「調査」だけに限っていえば、ロープアクセス工法はハーネスやロープといった専用の資器材はもちろん必要ですが、足場やゴンドラに比べると圧倒的に少なく搬入や設置などの期間を設ける必要もありません。
高所作業車に比べても小回りも効きますので利便性は優れています。
それは外壁調査に限らず、屋外広告物点検にも共通して言えることかと思います。
大規模な補修が必要ということが予め明確な場合は、足場やゴンドラ等の方がはるかに効率も良くなりますが、調査のみとなればロープアクセス工法のメリットが最大限に活かせます。
北海道地方：北海道
東北地方 ：青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県
関東地方 ：茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県
中部地方 ：新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県
関西地方 ：三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県
中国地方 ：鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県
四国地方 ：徳島県・香川県・愛媛県・高知県
九州地方 ：福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県
沖縄地方 ：沖縄
Copylight © 2010 Japan Seismic Diagnosis Association. All rights reserved.