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全国の耐震化は88%、それでも残る課題と現実

全国の耐震化は88%、それでも残る課題と現実

2015年に総務省が行った調査によると、日本全国にある防災拠点の耐震化率は88.3%だという結果が出ました。
ここでいう防災拠点とは、地方自治体が設けている避難所や災害対策本部などのことを指します。

この数字をどう捉えるかは、意見が分かれるところだと思います。
9割近くの施設がすでに強靱化しているという考え方と、12%ほどの施設は大きな地震に対してまだ危険な状態にあるという両方の考え方が成り立つからです。

最新のデータや事例などを交えつつ、耐震化の重要性と現状の課題を検証してみたいと思います。


耐震化は学校などが優先され、庁舎が後回しになっている


2015年のデータである88.3%という数値は、前年の同時期と比べると2.9%上昇しています。
この数値は年々上昇しているので、行政も着実に強靱化を進めていることは間違いありません。
ちなみにこの耐震化というのは震度6強の地震を想定していて、そこまでの揺れに耐えて倒壊するような壊れ方はしないという評価をされた結果です。

施設別に見ると、学校の校舎や体育館が94.6%と最高値になっていて、消防本部や消防署の建物が86.1%とそれに続きます。
学校の校舎や体育館はそこにいる生徒を守るというだけでなく避難所として利用される可能性も高いので、その際の二次的な被害を防ぐ意図があります。

その一方で市役所や役場などの庁舎が74.1%となっており、かなり低い水準にあります。
先述のように子供が使う施設の耐震化を優先しているため、庁舎などが後回しになってい


耐震化は学校などが優先され、庁舎が後回しになっている


2015年のデータである88.3%という数値は、前年の同時期と比べると2.9%上昇しています。
この数値は年々上昇しているので、行政も着実に強靱化を進めていることは間違いありません。
ちなみにこの耐震化というのは震度6強の地震を想定していて、そこまでの揺れに耐えて倒壊するような壊れ方はしないという評価をされた結果です。

施設別に見ると、学校の校舎や体育館が94.6%と最高値になっていて、消防本部や消防署の建物が86.1%とそれに続きます。
学校の校舎や体育館はそこにいる生徒を守るというだけでなく避難所として利用される可能性も高いので、その際の二次的な被害を防ぐ意図があります。

その一方で市役所や役場などの庁舎が74.1%となっており、かなり低い水準にあります。
先述のように子供が使う施設の耐震化を優先しているため、庁舎などが後回しになっている現実が浮かび上がります。

自治体の庁舎も災害時には情報が集積し、指示系統の重要な拠点になるので、今後はこうした施設の耐震化を進めなければならないという課題が明らかになりました。


広島の中学校で起きた事故から見えた課題

広島の中学校で起きた事故から見えた課題


全国の自治体が優先して耐震化を進めているとされる学校で、2015年12月に教室の天井が剥落するという事故がありました。
広島県安芸太田町にある中学校での出来事で、幸い剥落したのは誰も使用していなかった理科室の天井でした。

この事故をきっかけに専門家が点検をしたところ、なんと同中学校内に300ヶ所以上の危険箇所があったことが分かったのです。
全国的に自治体が優先して強靱化を進めている学校でこのような事故が起きたことは、大きな衝撃となりました。

ただし、同中学校の校舎は築50年以上の古い建物で、すでに耐震診断の結果では震度5強の地震に耐えられないと指摘されていたことにも触れておかなければなりません。
耐震診断は実施され、これから耐震化工事をするところだったのです。

数値上では9割近い建物が耐震化されているとは言え、現実にはまだまだ手つかずのままになっている建物の数は多く、引き続き耐震化への取り組みが求められています。


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