大阪府大阪市 テナントビル(S造2階建て)構造調査
実施年 :2013年 所在地 :大阪府大阪市中央区
建物概要:鉄骨造2階建て、延床面積1,425㎡
建築年 :1980年
実施内容:現地調査(構造調査)
大阪市中央区のテナントビル所有者様より、2階に新たに飲食店舗が入居するにあたり、既存床にクラックが見られることから、新設予定の厨房機器荷重に対して構造上安全であるか懸念され、 構造調査のご依頼を受けました。
構造調査では、対象床に生じているクラックについて幅および深度の測定を行うとともに、スラブコンクリートの圧縮強度試験および中性化深度の調査を実施しました。あわせて、既存図面に基づき、鉄骨架構および鉄筋コンクリートスラブの構造安全性の照査を行いました。
調査の結果、中性化深度の問題は認められませんでした。一方、コンクリート圧縮強度試験では、一部試供体において設計基準強度を大きく下回る値が確認されました。
また、直線的に発生しているひび割れは梁上端付近に位置していることから、スラブ自重による長期たわみ、ならびに設計荷重を上回る積載重量の作用による曲げ変形に起因するひび割れである可能性が高いと判断しました。
床スラブ中央部下端(1階天井内から確認可能と考えられる位置)については直接確認していませんが、引張応力によるひび割れが発生している可能性があると推察されました。

新設予定の厨房機器荷重を考慮のうえ、改めて構造計算を実施しました。その結果、計算上は部材耐力を満足していることを確認しました。
本件は室内床であり、厨房床は原則として防水仕様となることから、通常、ひび割れ部からの浸水リスクは高くないものと考えられます。
しかしながら、将来的な漏水や清掃時の水分浸透等の可能性を完全に否定することはできないため、 耐久性向上の観点から、床クラックに対してエポキシ樹脂注入による補修を行うとともに、既存スラブ直上にワイヤーメッシュ(6Φ-100×100)を敷設し、厚さ約30mmのモルタル増し打ちを行うことをご提案しました。
このように当協会では、建物の 耐震診断 にとどまらず、部分的な構造調査や構造計算、構造安全性に関する各種ご相談も承っております。





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