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耐震診断で重要となるIs値(耐震指標)の基礎知識

耐震診断で重要となるIs値(耐震指標)の基礎知識
1981年以降に採用された新耐震基準では、建物が一定の保有水平力(地震や風圧などの水平力に対して住宅が耐えられる抵抗力)を有しているか否かを検討するように規定されています。

しかし、旧耐震基準の建物は現在のものと設計法が異なっているため、この保有水平耐力で耐震性能を図ることが難しくなります。
そこで重要になるのが耐震診断結果の「Is値」です。



耐震性能をあらゆる角度から判断する「Is値」

耐震性能をあらゆる角度から判断する「Is値」

Is値(Seismic Index of Structure)とは建物の耐震性能を表すための指標のことです。

このIs値は、以下のような式で算出されます。
Is=Eo(保有性能基本指標)×Sd(形状指標)×T(経年指標)

Eoとはその建物が保有する基本的な耐震性能を表す指標で、Is値を算出する上で最も重要となります。
この指標は、具体的にはC(建物の強度を表す指標)×F(建物の靱性を表す指標)で計算できます。
Sdは建物の形状や壁の配置バランス、Tは建物の経年による劣化を表す指標です。

つまりIs値は、建物の強度・靱性、形状やバランス、経年劣化などといった耐震性能に大きく関わる要素を総合的に判断する指標となります。


耐震診断結果のIs値が大きいほど耐震性が高い

耐震診断結果のIs値が大きいほど耐震性が高い


では、このIs値がどれくらいなら安全といえるのでしょうか。

建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」の告示(旧建設省告示 平成7年12月25日 第2089号)によると、震度6~7程度の地震に対するIs値の評価については以下のように定められています。




■震度6~7程度の地震に対する耐震診断結果のIs値の評価


・Is<0.3 …倒壊または崩壊する危険性が高い
・0.3≦Is<0.6 …倒壊または崩壊する危険性がある
・0.6≦Is …倒壊または崩壊する危険性が低い

つまりIs値が高いほど建物の安全度も高くなると言えます。
実際に、1968年十勝沖地震(M7.9、震度5)および1978年宮城県沖地震(M7.4、震度5)でIs値が0.6以上の建物で大きな被害を受けたという例はまだ出ていないことから、Is値は地震対策において十分に参考となるものであることが解ります。

一般的な建物であれば「Is値0.6以上であるか」がひとつの目安となるでしょう。
しかし、建物の規模や用途によっては求めるIs値が更に高い場合があります。
文部科学省では、公立学校施設のIs値を「おおむね0.7を超えること」としています。


Is値(耐震指標)と耐震等級の見比べ方


過去の記事では、2000年に施行された「住宅品質確保促進法(品確法)」で定められた「耐震等級」についてお話しました。

この耐震等級とは建築物の耐震性を三段階で表したものであり、 専門の知識がないと理解が難しい「Is値」よりも耐震状態を感覚的に把握しやすい内容になっています。

そのため、今回取り上げた「Is値」と「耐震等級」の照らし合わせ方に頭を抱える方もいらっしゃるかと思います。二つの数値の簡単な対照表は、以下のようになります。


■Is値と耐震等級


耐震等級:1
Is値:0.6が目安

Is値は、建物の耐震性能の現状を多方面から見つめた過程で割り出される緻密な数値になります。
自身で計算できる必要は無くても、算出方法などの基礎を頭に入れておくことは、耐震を考えるうえで役立つ知識となることでしょう。

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