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倒壊を招く要因

「壊れた家」は何が悪かったのか。倒壊を招く要因

阪神・淡路大震災が起きた時、倒壊した住宅は数多くあります。

その後、耐震補強に対して多くの見直しがされてきました。
近年も3.11の影響で、改めて耐震のへの関心は大きくなり、建物の耐震診断はその意味でも
重要なウエイトを占めると言えるでしょう。

ちなみに、実際に「倒壊した家」にどんな特徴があったのか、皆さんはご存知ですか?
そこにはいくつかの共通項が存在するのです。耐震に取り組む上で、「過去に壊れた家」の
特徴を知っておくことは非常に大事なことです。

今回は阪神・「淡路大震災で倒壊した家」の例をいくつかご紹介します。


倒壊の仕方は一つではない

地震による衝撃で崩れたことは共通していても、倒壊の仕方は様々です。
もちろん、どうしてそのような崩れ方をしたか、という理由は各々に存在します。

<一・二階とも潰れた家>
比較的古い住宅では一階・二階ともに潰れている場合が多かったと言われています。

原因
・建築法の根本的な古さ
・築年数による木材の老朽化

<一階だけ潰れた家>
これは比較的新しい住宅に見られた現象です。
一階が潰れ、その上に二階が落ちてしまうような崩れ方が特徴的です。

原因
・強い直下型地震による柱抜け
・バランスの悪い壁配置によるネジレ現象

<布基礎と土台がズレた家>
布基礎(ぬのぎそ)とは、断面がTの字を逆にしたような形状の鉄筋コンクリートを連続させることで設けられた基礎部分のことです。

この基礎の形は枠と底面が一体化していて安定感があるため、耐震性が強いと言われています。
この部分と家の土台が完全に離れ、横に約10センチもずれていた住宅が数件ありました。

原因
・強い直下型地震による住宅の飛び上がり
・飛び上がり時に生じた地盤との間のねじれ

このように、倒壊の仕方やその要因は様々です。
中には地震の威力を想像させるものもあります。

しかしその一方で、「地震の強さ」や「住宅の新旧」に関係なく「構造自体に問題を抱えている住宅も多く存在しました。


「築二か月で崩れた家」衝撃に耐えられない家の構造

倒壊した住宅の多くは古い木造建築であり、その印象のせいで築年数が若い住宅へは根拠の無い安心感があるように思います。

しかし、前述したように新しい家でも「倒壊」は起きています。
その中でも、築二か月という新しさにも関わらず、一階が完全に潰れた住宅があります。

その事実は(「直下型地震の強さ」とは別に)、耐震における構造的な問題点があったことを
証明
しています。  


<風通しが良すぎる家>
この、築二か月で倒壊した住宅の原因は「壁の量」だと言われています。
一階に18畳分の空間があり、間仕切り壁が比較的少ないデザインの住宅でした。
屋根を柱とともに支えるはずの壁が少なかったため、住宅にかかる力が分散できず一階が潰れてしまったのです。

倒壊した古い住宅でも「壁の量」という問題は顕著だったようです。
日本では「在来住宅」という柱と梁で支える形の建築法があります。
この構造は横に揺れるような衝撃に弱いため、横からの衝撃を面で抵抗する「耐力壁を多く
設置する必要があります。

昭和56年以前の建物に被害が多かったのは単に老朽化だけではなく、「耐力壁」が足りて
いなかったという要素が大きかった
ようです。

<デザインを優先しすぎた家>
地震に耐える上で、壁の配置バランスは非常に重要です。
十分な壁量があっても、配置がアンバランスであれば地震に耐える力は一部分にしか届かない
のです。

一階に車庫を設けたり、日当たりの良い空間をつくるために壁の配置が無理にずらされていた
家は、その部分を中心に倒壊が起きていました。

総合的にしっかりしていたとしても、デザインや快適性を優先しすぎて構造に無理をさせてしまうと、その住宅のウィークポイントを作り出してしまいます。

阪神・淡路大震災以降、これらの問題点について何度も見直しがされたため、極端に地震に弱い家が建てられることはなくなりました。

しかし、「地震で倒れない家」が存在するわけではありません。
倒壊につながる「根本的な原因」を理解することは、「耐震」を考えていく上で常に重要な知識となります。

建物の耐震診断は大地震により倒壊につながる「根本的な要因」を見つけ出す最も有効な手段と言えます。


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