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義務化される「耐震診断」について

耐震改修促進法の改正により、一定の建築物について耐震診断が義務付けられました。
ビルやマンションオーナーの方にとって気になるこの法改正の内容について確認して
いきましょう。


対象となる建物の着工時期は?

今回の耐震診断義務化は、原則として、昭和56年5月31日以前に着工した建築物が対象
なります。

これは、昭和56年6月1日より建築基準法施行令が改正され新耐震基準となったためで、それ以前の旧耐震基準に基づいて建てられた建築物に対して 耐震性能の見直しを行っていく必要が認められるためです。


対象となる建物の用途と規模は?

耐震診断の義務付けの対象となるのは、以下になります。
■学校
小学校、中学校、中等教育学校の前期課程若しくは特別支援学校

特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ1,000㎡以上※屋内運動場の面積を含む。
上記以外の学校:階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ1,500㎡以上
※屋内運動場の面積を含む。

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ3,000㎡以上
※屋内運動場の面積を含む。

■体育館
(一般公共の用に供されるもの)

特定既存耐震不適格建築物の要件
階数1以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数1以上かつ2,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数1以上かつ5,000㎡以上

■ボーリング場、スケート場、水泳場その他
(これらに類する運動施設 )

特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ2,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ5,000㎡以上

■病院、診療所
■劇場、観覧場、映画館、演芸場
■集会場、公会堂
■展示場
■百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
■ホテル、旅館



特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ2,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ5,000㎡以上

■卸売市場
■賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄宿舎、下宿
■事務所


特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

■老人ホーム、老人短期入所施設、福祉ホームその他これらに類するもの
■老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの


特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ2,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ5,000㎡以上

■幼稚園、保育所

特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ500㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ750㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数2以上かつ1,500㎡以上

■博物館、美術館、図書館
■遊技場
■公衆浴場
■飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの
■百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
■理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
■車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は
待合の用に供するもの
■自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設
■保健所、税務署その他これらに類する公益上必要な建築物



特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ2,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ5,000㎡以上

■工場(危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く。)

特定既存耐震不適格建築物の要件
階数3以上かつ1,000㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

■工場(危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く。)

特定既存耐震不適格建築物の要件
危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
500㎡以上

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
階数1以上かつ5,000 ㎡以上(敷地境界線から一定距離以内に存する建築物に限る)

■避難路沿道建築物

特定既存耐震不適格建築物の要件
耐震改修等促進計画で指定する避難路の沿道建築物であって、前面道路幅員の 1/2 超の高さの建築物(道路幅員が12m以下の場合は6m超)

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
上記と同じ

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
耐震改修等促進計画で指定する重要な避難路の沿道建築物であって、前面道路幅員の1/2超の高さの建築物(道路幅員が12m以下の場合は6m超)

■防災拠点である建築物

特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
無し

指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件
耐震改修等促進計画で指定する大規模な地震が発生した場合においてその利用を確保することが公益上必要な、病院、官公署、災害応急対策に必要な施設等の建築物

日本の建築物における耐震化の状況は?

住宅や多数の者が利用する建築物の耐震化率は、平成15年の段階で75%でした。

国は、この耐震化率を平成27年までに少なくとも9割にするという目標を定めています。
これに加えて、政府の「新成長戦略」および「住生活基本計画」では、 住宅の耐震化率を平成32年までに95%にするという新たな目標が定められ、計画的な耐震化の促進を図っています。

国土交通省の発表した耐震化の進捗状況によると、平成20年時点の耐震化率は、住宅が約79%、 多数の者が利用する建築物が約80%となっています。

木造の耐震診断の流れは?

建築士など専門家による耐震診断には、「一般診断」「精密診断」の2種類があります。
「一般診断」は、耐震改修の必要があるかどうかを判定するのが目的で、改修を前提としない診断方法になります。
原則として、内装材や外装材を剥がしたりはしません。

「精密診断」は、改修の必要性が高い場合に、より詳細な調査を行い、改修の必要性の最終的な判断を行います。
改修を実施する場合には、改修後の耐震性も診断します。

一般診断で改修の必要ありと認められた場合に精密診断を行い、補強設計の後、さらに精密診断を経て補強工事の実施というのが基本的な流れになります。

一般診断を省略して精密診断を行うこともできますが、 結果的に改修が必要でない場合にも内外装材の引き剥がしなどの改修費用が必要になる場合があります。


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